船上の数独先生
最近、世界中のクルーズ客船で流行しているものに数独があります。
3×3のブロックに区切られた9×9の正方形の枠内に1から9までの数字を入れるペンシルパズルの一つです。
多くの外国の客船でもDaily Sudokuとして、図書室やラウンジで日替わりの数独が配布され、プールサイドなど船内のあちこちで、なぞ解きに挑戦している乗客を見かけます。
また、船によっては数独早解き大会が行われ、メダルがもらえる場合もあります。
ほとんど一人旅で客船の取材に出る私にとっても、数独は空き時間を潰す絶好のパズル。
毎日のように貰ってきては、ちょっと時間のあいた時に挑戦しています。
ところで、3月12日、世界一周クルーズの途中で長崎にやってきたサガルビーは1973年に就航した歴史ある客船。しかも、乗客になれるのは45歳以上という、世界的にもめずらしい年齢制限のある客船です。
2012年のサガルビー世界一周クルーズは、英国サウサンプトン発着の114日間で38の港を巡るコース。その長崎→済州島→天津→上海→宮古島間に乗船すると、船内は大人の中の大人ばかり。優雅で落ち着いた雰囲気は、陸の慌ただしさを忘れさせてくれました。
そして、サガルビーでも数独は大人気。毎朝8時にサウスケープバーのピアノの上に日替わりの数独が置かれるのですが、9時半ごろにはもう1枚もなくなるほどでした。
ある日、図書館で数独を解いていると、「私はもう今朝の数独はできたわ」と言いながら、80歳代の英国人女性客が対面の席に座りました。しかし、その日の数独は、私にとっては、なかなかの難問。5分たっても解けません。
すると
「ちょっと見せてごらんなさい」と、
バッグから自分が解いたばかりの正解を取り出し、2枚を比べながら、
「ここまでは合っている。もう少しだから頑張って!」。
そして、その10分後、私が
「数独先生、私もやっと出来上がりました」と言うと、
彼女は、もう一度バッグから自分の数独をとり出し答え合わせを開始。
最後に「10分の10」と点数まで付けてくれました。
それ以降、毎朝のように数独先生と私は、約20~30分間を図書室で共に過ごし、出来上がった数独の採点をしてもらうのが、日課になりました。また、彼女の友人も沢山紹介してくれ、船上の知り合いの輪が広がってゆきました。
そして、そこにはいつも笑顔がありました。
現在、海外は10万総トンを超える巨大客船が主流ですが、サガルビーの大きさは24492総トン。対照的な小型客船の部類に入ります。そして、隅々まで目の行き届いたサービスに加え、乗客同士の距離感の近さや、船上の出会いの多さもスモールシップならではの魅力といえるでしょう。
いいよいよ4月30日に、サガルビーは世界一周を果たし英国サウサンプトンへ帰ります。数独先生はじめ数日間共に過ごした方々の安全航海を祈るばかりです。
尚、WRBサライにサガルビーの記事を書いていますのでぜひご覧ください。
http://www.webserai.jp/2012/04/
post-ebd0.html










